去年2月、ブルガリアに居ながら、10年間持っていたインドの銀行口座を解約しました。そのとき少し残高があったらしいけど、「まあいいか」と特に気にせず終わり。
今回インドに寄って日本に戻ることになり、その銀行で私の担当をしてくれていた人に、挨拶していこうかなと思ったんです。正直あまり仕事をしてくれたとは言えないけれど(笑)、それでも数年間お世話になったので、「一応ありがとうだけ伝えておこう」と連絡しました。
このときの目的はひとつだけ。担当者に感謝を伝えること。
ところが話の流れで、「そういえば残高ありましたよね。今いらっしゃるなら返金も手続きしましょう」となり、銀行側の作業をすることに。
残高は約7500ルピー(約14,000円)。
微妙な金額で、あったらありがたいけど、わざわざ労力を費やすべきかどうか分からない。なので最初は何も思ってなかったのに、「手続きできるよ」とのことで、「じゃあお願いします」という流れになりました。
2週間後、「紙に直接サインして」と言われて支店に行くと、「受け取りました」という書類にサインをさせられ、その後に出てきたのが小切手。それは Demand Draft(DD)という小切手で、すぐに現金化はできず、「インドの別の銀行口座があれば、そこに入れられますよ」というだけの紙でした。
えーーと、私は日本に帰るし、インドにもう口座作らないって言ってたし、最初から「現金が欲しい」と伝えていたよね?インドではよくある、「次に起きることを想像できていない流れ」…。
気づけば、「別にいらなかったお金」のために、時間とエネルギーを使わされている自分がいました。やる気になれば、もっと大きな支店に行って苦情を入れるとか、戦うとかできます。今までは、そうやって「正しいことをやり通したい自分」がいたと思います。
ここで一度、深呼吸して考えました。
そもそも今回インドで担当者に会った目的は? → 「感謝を伝えること」。それはもう、最初のメッセージで十分果たせている。7500ルピーは、そのあと勝手に増えた【おまけ】にすぎない。
私はここ数ヶ月、ノートに想いを書きながら、自分の人生の優先順位を整理してきました。家族の健康、自分が楽しくビジネスをすること、日本での新しい暮らし、講座生さんとの時間…。そのリストを思い出して、自分に聞きました。
「この7500ルピーを取り返すことは、この優先順位のどこに入る?」
答えはすぐに出ました。「かなり下の方。お金はまた稼ぐことができる。」
ふと振り返ると、元気な娘が隣で鼻歌を歌っていました。十分幸せだった。残り少ないインド滞在と、私のメンタルの平穏は、ここでしか守れない。
そこで私は決めました。この小切手はインドへの授業料。担当者に感謝を伝える、という最初の目的だけ受け取って、残りは手放す。
とても大きな学びでした。お客様の要望に一生懸命応えてくれる日本では、なかなか学べないことかもしれません。
世界は、自分の思い通りにならないことだらけです。
戦うこともできるし、「ここでNOと言う」こともできる。その境目で助けになるのが、「最初の目的」と「人生の優先順位」だと思います。
ちょうど今日は、しし座の満月。完璧に終わらせることよりも、「不完全なままでも、自分が楽しい方を選ぶ」ことを問われているようなタイミングです。
みなさんも、今の現実の中で、本当はもう手放していいのに、意地で握りしめていることはありますか?
最初の目的はもう果たせているのに、増えてしまった【おまけ】に振り回されていないでしょうか。
もし思い当たるものがあれば、今日を「不完全な完了」を選ぶ日にして、浮いたエネルギーを、あなたが本当に楽しいと思えることに回してあげてもいいかもしれません。

